工事概要
今回は、栃木県上三川町の中学校にてガスヒートポンプエアコン(GHP)の新設工事を行いました。
対象となったのは、生徒が授業や部活動、式典などで日常的に使用する体育館です。従来は空調設備が整っておらず、夏場は高温多湿、冬場は極端な冷え込みに悩まされていました。
そのため今回、地域の教育環境の改善を目的として、最新のダイキン製ガスヒートポンプエアコンを導入し、季節を問わず快適に過ごせる空間づくりを実現しました。
ガスヒートポンプエアコン導入の目的とメリット
ガスヒートポンプ(GHP)は、ガスエンジンで圧縮機を駆動するシステムで、電力消費を抑えながら高い冷暖房能力を発揮します。
特に体育館のように大空間を効率的に空調する場合、電気ヒートポンプに比べて電力負荷が少なく、ピーク電力抑制効果が期待できることが大きなメリットです。
また、停電時にも一部稼働が可能で、防災拠点としての学校施設においても非常に有効な選択肢です。
今回の施工では、ダイキンのGHPを採用し、耐久性・省エネ性・メンテナンス性のいずれにも優れた仕様となっています。
施工の流れ
1. 現地調査・設計計画
まず、体育館および校舎外部の配管ルートを詳細に調査しました。
体育館は天井が非常に高く、構造材や梁の配置を踏まえて空調配管・ダクトをどのように通すかが大きな課題でした。
設計段階では、安全性・メンテナンス性・見た目の美しさを考慮し、最適なルートと支持構造を設計しました。
2. 室外機の設置
屋外には、大型のガスヒートポンプ室外機を複数基設置しました。
基礎コンクリートを新たに打設し、振動防止用の防振架台を使用して安全に固定しています。
施工後の写真からもわかるように、配管の取り回しや保護カバーも丁寧に仕上げ、見た目にも整然とした設置状態となりました。
また、配管には耐候性に優れた素材を採用し、長期にわたって安定稼働できるよう施工しています。
ガス供給ラインも安全基準に基づいて設計・施工を行い、ガスメーターやバルブ周りの配置にも余裕を持たせました。
3. 室内(体育館側)の空調配管・吊り下げ施工
体育館内部では、天井梁の高さを生かして空調配管・吹出口の吊り下げ施工を行いました。
高所作業車を用いながら、安全対策を徹底し、一つひとつの固定金具を正確に取り付けています。
体育館という広い空間では、空調の効率を均等に保つことが重要です。
そのため、冷暖気の分布を最適化する吹出ユニットの配置設計を行い、体育館全体をムラなくカバーできるようにしました。
また、見た目にも配慮し、配管のカバーは白色で統一。既存の梁や壁との調和を意識した仕上がりとなっています。
4. 室内機・制御システムの設置
室内には高天井対応の吹出機を設置し、リモート制御により細かな温度調整が可能になりました。
操作盤は職員室や管理室から簡単に操作できるよう設置され、日常利用からイベント時の運転管理までスムーズに行えます。
また、温度センサーやタイマー制御により、無駄なエネルギー消費を抑えつつ効率的な運転を実現しています。
5. 試運転・確認作業
施工完了後は、ガス漏れ試験・圧力検査・制御システムの動作確認を入念に行いました。
試運転時には、室内温度が素早く安定し、体育館全体に均一な温度分布が確認されました。
これにより、夏の猛暑や冬の冷え込み時にも、快適な環境が保たれることを実証しました。
安全対策と工期管理
学校現場での施工ということで、生徒の安全を最優先に、登校時間・授業時間を避けた工程管理を実施しました。
体育館の床は養生シートで丁寧に保護し、資材の搬入経路も制限を設けるなど、安全でクリーンな作業環境を維持しています。
工期中は定期的に現場打合せを行い、施工進捗・安全・品質の3点を徹底的にチェックしました。
施工後の効果と今後の活用
ガスヒートポンプエアコンの導入により、体育館内の環境は大きく改善されました。
これまで夏場には35℃を超えることもあった空間が、快適な温度で授業や部活動が行えるようになりました。
また、冬場も短時間で暖まるため、行事や避難所として使用される際にも安心です。
地域における教育施設の快適化・防災拠点化の取り組みとして、非常に意義のある工事となりました。
まとめ
今回の上三川町にある中学校 ガスヒートポンプエアコン新設工事は、
環境に配慮した省エネ型設備の導入
体育館という大空間への効率的な空調設計
生徒・教職員の安全を最優先にした施工管理
を徹底し、安心・快適な空間を提供することができました。
弊社では、今後も学校・公共施設・企業などの空調設備新設・更新工事を通じて、地域の快適な環境づくりとエネルギー効率化に貢献してまいります。










