老朽化した空調設備の更新に伴う難易度の高い搬入工事
今回ご紹介するのは、栃木県内の公共施設における空調設備の更新工事です。
施設では長年使用されてきた空調機が経年劣化により性能低下や故障が発生しており、安定した冷暖房を維持するために新しい設備への更新が必要となりました。
新しい空調設備(三菱電機製 Fitマルチ)を導入することで、快適性と運用効率の向上を図る計画です。
設置環境と課題
今回の現場は、建物の2階部分に室外機を設置する構造となっていました。
しかし、クレーン車を設置できる位置と実際の搬入場所が大きく離れており、通常のクレーンではアームの長さが足りず、届かないという課題がありました。
そのため、今回は大型の長尺クレーンを使用し、安全かつ正確に室外機を吊り上げ、指定位置に設置する計画を立てました。
建物の外観デザインや周辺環境にも配慮しながら、騒音や振動を最小限に抑えるよう細心の注意を払って施工を進めました。
工事の流れ
1. 既存設備の撤去
まずは、老朽化した既存の空調機器を安全に取り外しました。
撤去作業では、冷媒ガスの回収を確実に行い、環境への影響を最小限に抑えました。室外機や配管、電源ケーブルなども新規設備に合わせて整理し、今後の保守点検がしやすいよう施工を工夫しています。
2. クレーンを用いた室外機の搬入
次に、新しい室外機(Fitマルチ)を設置場所まで搬入しました。
今回の現場では、クレーン設置位置と建物の距離があるため、ブームを最大限に伸ばしての高所吊り上げ作業となりました。
安全確保のため、作業エリアをカラーコーンで区画し、通行者や車両の動線を完全に分離。風速やバランスをリアルタイムで確認しながら慎重に室外機を吊り上げ、2階の設置スペースに正確に収めました。
3. 室内機および配管接続
室内側では、天井カセット型の室内機を設置しました。
コンパクトなデザインながら広範囲をカバーできるタイプを採用し、冷暖房の効率化を実現。配管・電源・ドレン処理を丁寧に施工し、外観を損なわないよう仕上げました。
4. 試運転・動作確認
設置後は、システム全体を通しての試運転を行いました。
各ユニットの動作・温度・風量・圧力などを確認。
安定した運転を確認した後、最終的な調整と点検を実施し、工事を完了しました。
安全と品質を両立した施工体制
今回のような高所・長距離クレーン作業を伴う空調工事では、作業前の入念な計画と現場の安全対策が欠かせません。
当社では、以下の点を特に重視して施工を行いました。
クレーン作業の事前シミュレーションによる安全確認
天候や風速の確認によるリスク管理
周辺施設・利用者への影響を最小限に抑える工程設計
電気・配管接続の確実な施工管理
これらの取り組みにより、予定通り安全かつスムーズに室外機の設置を完了することができました。
工事後の効果
空調性能の向上
新しい設備により、室内温度のムラが解消され、快適な空間を実現しました。
省エネ・環境対応
最新機種の導入により、消費電力を大幅に削減。CO₂排出量の低減にも貢献しています。
今回の施工のポイントまとめ
栃木県内の大型施設での空調設備更新工事
クレーン設置位置から離れた2階への室外機搬入
大型クレーンを使用し、安全に吊り上げ・設置
室内機は天井カセットタイプを採用し快適性を向上
まとめ
本工事では、難易度の高い搬入条件下でも綿密な施工計画と安全管理により、スムーズに作業を完了することができました。
施設の利用者や職員の方々に影響を与えることなく、短期間で高品質な仕上がりを実現しています。
今後も当社では、学校・病院・オフィスビルなどの空調設備更新工事において、現場の条件に合わせた最適な施工方法をご提案し、安全で快適な空間づくりをサポートしてまいります。